資金管理の重要性

日付
2018/05/01
カテゴリ

 とある住宅工務店の業績検討会議での一コマです。

 現場監督「引き渡しが10日ずれてしまいました。
      しかし、今期の決算までには引き渡しますので、
      売上には影響ありません!」

 経理担当「ええっ!この10日の差で資金繰りが全て狂う!
      この工事の最終金をあてにしていた。
      銀行にもこの間、追加で借りたばかり。
      別の策を考えなければ……」

 PL(損益計算書)重視で経営をしている企業での典型的なやり取りです。

 PLが良くても会社は倒産します。
 いわゆる「黒字倒産」といわれるものです。
 実際に2017年度版「中小企業白書」に以下の記載があります。

 ┌────────────────────────────
 │ 2013年から2015年までの期間で
 │ 休廃業・解散した企業84,091者のうち、
 │ 廃業直前の売上高経常利益率(以下、利益率とする。)が
 │ 判明している企業6,405者について集計したデータをもとに、
 │ 休廃業前の利益率を確認すると、
 │ 利益率が0%以上の黒字状態で廃業した企業の割合は50.5%と、
 │ 半数超の企業が廃業前に黒字であったことが分かる。
 └────────────────────────────

 つまり、休廃業・解散した企業のうち、
 約半分は黒字であったということです。

 当然、後継者不在などで休廃業・解散するケースも考えられますが

  「利益は出ているがお金は無い……」といった経営者の悩みを、
 コンサルティングの現場ではよく耳にします。

 業績検討会議などにおいては
 一般的に売上高や営業利益の目標、
 昨年対比の数字をもとに検討することが多く、
 財務諸表をもとにした会議を実施している中小企業は
 そう多くはありません。

 特に注視していただきたいのが【実質資金】という考え方です。

 これは「現預金-借入金」であらわされます。
 この数字がプラスであれば【実質無借金経営】といえます。

 通常の現預金月商倍率の考え方で
 現預金を月商の3ヶ月分保有していたとしてもそのキャッシュが、
 返済が必要な借入金によるものなのか、
 返済不要な自社で獲得してきたものなのかによって
 安全性は全く異なります。

 また、外部から資金を融通した場合、
 借入金には「利息」というコストが発生します。

 支払利息は、会計上では営業外費用に含まれ
 PLには上がらないため、社員には、
 あたかも借入金とは関係のない費用かのように
 捉えられる場合が多いのです。

 現場での実務が、どう資金繰りに影響を及ぼすかという考え方と、
 現場の状況が正しく経理に流れる仕組みづくりをしなければ、
 企業の資金は円滑にまわっていきません。

 まずは以下の2点に取り組んでみましょう。

  ────────────────────────────

  ■ 毎月、実質資金(現預金-借入金)の金額推移を確認する

  ■ 現場KPIに売上・粗利だけでなく回収率や回転期間を設定する

  ────────────────────────────

 特に原価構成比が大きい業界や、
 立替期間が長い業界では効果てきめんです。

 NBC税理士法人では、一般的な会計事務所とは異なり、
 ただ試算表の集計に終始するのではなく、
 資金の増減分析や、その要因を毎月追究し
 対策を練るまでをサービスの一環としています。

 そして、NBCコンサルタンツでは
 経営における資金管理の重要性と具体的な管理手法について、
 毎月開催のセミナーでお伝えしています。

 ぜひ、毎月の試算表をもとに実質資金と利益の関係を追いかけ
  「PL経営」から脱却し「BS経営」を目指しましょう!