製造業における原価計算~自社の原価計算の進め方を検討する~

日付
2018/06/19
カテゴリ

 昨夏よりテーマ「製造業における原価計算」についてお伝えしております。
 今回は【 STEP3:自社の原価計算の進め方を検討する 】について
 お話します。

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┃ はじめに :原価計算はなぜ必要なのか?
┃ STEP1:自社の原価構成を把握する
┃ STEP2:自社の生産タイプを把握する
┃ STEP3:自社の原価計算の進め方を検討する
┃ STEP4:原価計算に必要なデータを収集する
┃ STEP5:用語を整理する
┃ STEP6:原価計算制度の構築スケジュールを検討する
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 原価計算の進め方には大きく分けて、2つの方向性があります。

 [A]社員教育の一環として、
    原価計算制度の構築を行う。⇒緊急度が低い。
 [B]窮境原因を究明するために、
    原価計算制度の構築を行う。⇒緊急度が高い。

 原価計算を用いた業務改善を進めようとすると、
 作業日報の作成や集計作業、集計結果に基づく改善案の立案・実行など、
 社員に一定のストレスがかかります。
 
 社員の皆さんを巻き込み、社員教育の一環として理解を深めながら
 原価計算の精度を高めていくという進め方が理想的です。

 今回は、上記の[A]の進め方についてご紹介します。

 ┌1)原価計算プロジェクトチームを組成
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 組織の枠に囚われない形でプロジェクトチームを組成します。
 プロジェクトの真の目的として
 「原価計算に向いている社員の発掘」があります。
 
 原価計算は「向き」「不向き」がハッキリする作業ですので、
 数ヶ月間、プロジェクト活動を行うことにより、
 「原価計算に向いている社員」を見つけ出すことができるのです。

 「原価計算に向いている社員」とは以下のような方です。

  ■几帳面な性格
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   原価計算のベースとなる集計作業は、
   日報のチェック、地道な入力作業などが必要不可欠です。
   几帳面な性格の方が適しています。

  ■原価計算を「面白い」と思える好奇心
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   一般的な経理の仕事は、正確な集計・処理を行うことを
   目的としていますが、
   原価計算の仕事は、集計・処理を行うことは第一ステップに過ぎず、
   それ以降の原価データを用いた「改善活動」が主な目的となります。
   
   原価計算の「面白さ」を自身で感じて、他の社員にアピールするような、
   好奇心あふれる性格の方が適しています。

 ┌2)勉強会の実施
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 以前のコラムで紹介した、下記の内容に関する勉強会を実施し、
 全体像を掴みます。
 電卓を使って実際に計算をしてみることがポイントです。

 ◆2017.10.24) 自社の原価構成を把握する
 ◆2018. 2.27) 自社の生産タイプを把握する

 ┌3)試験運用
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 まず

 【1】工程の複雑性(工程がシンプル)
 【2】生産量の多寡(生産量が多い) 

 などの観点から、原価計算を行う
 「製品」「工場」「工程」を限定して試験運用を行います。
 
 工程が複雑だと、コストが発生する工程・作業などの把握が
 困難となってしまいます。
 
 また、生産量が少ないと、データを収集するのに時間を要し、
 異常値が出やすくなるので試験運用には適しません。

 ┌4)本運用
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 一定期間の試験運用を経て、本運用となります。
 
 原価計算を用いた業務改善は、
 先に述べた通り、現場に一定のストレスがかかります。
 試験運用を通じて十分に検証し、現場のストレスを最小限に抑えることが
 成功への近道となります。