先日「渡り鳥のV字編隊飛行」について聴く機会がありました。
渡り鳥は、定期的に長い距離を移動する種類の鳥で
ガンやツル・トキなどが有名です。
多くの「渡り鳥」は、何千キロ、種類によっては数万キロという
とてつもない距離を飛行します。
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渡り鳥が飛行する様子として有名なものにV字編隊飛行があります。
先頭の1羽を中心に両翼の斜め後ろに連なる編隊です。
近年の研究によると、このV字編隊が長距離の飛行を可能にする
非常に優れたメカニズムを持ち合わせているそうです。
英オックスフォード大学(Oxford University)などの国際研究チームが
2015年に発表した論文の中では
・鳥たちが群れの中で頻繁に位置を変えている
・鳥たちは全般的に、飛行時間の平均32%を
ほかの鳥の羽ばたきで発生する
上昇気流に乗って飛行することで恩恵を受けている
・編隊の先頭に立つ時間については全員で釣り合いを取っている
などが説明されています。
一部の研究によると、若い鳥の3分の1以上は、
最初の渡り飛行中に極度の疲労が原因で死に至るそうです。
この命がけの大移動に臨むにあたり、鳥たちはV字編隊を組むことで
ほかの鳥たちの上昇気流の中を少しの間「ただ乗り」して
エネルギーを節約しているそうです。
一番負担がかかる先頭は、交代しながら、
前を飛ぶ鳥が発生させた上昇気流の恩恵を受ける。
こうしてお互いに支え合い、効率を32%高めているのです。
ずるをせずにお互いが支え合って飛行しているからこそ、
成し遂げられる大移動があるのです。
出所:「先頭は順番で交代、渡り鳥のV字飛行 国際研究」AFP通信(2015年2月3日)
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経営は長期戦です。
市場縮小期に突入し、厳しい時代となった今
トップが一人で引っ張っていこうとすると、
経営の難易度は格段に高くなります。
中小企業の場合は特に、
全員参加型経営で長期戦を乗り越えていくことが求められます。
「ただ乗り」ではなく、
全員が先頭役をかって出るぐらいの組織力があれば、
業績が厳しい企業もV字回復を実現できるのではないでしょうか。
自然の力に学ぶべきことは多そうです。