成功した改革:T社の事例

日付
2019/07/02
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倒産会社社長の共通点については、
これまでも、折に触れてお伝えしてまいりました。

辛辣な言葉が連なりますが、例えば
「自己中心的」「嫌なことや苦手なことから逃げる」「計数に疎い」
「真の勇気がない(事業縮小や他者への相談など)」
「頭でわかっていても実行しない」「お人好し」
「時間貧乏(体が働きすぎて頭が働いていない)」などがあります。

自覚の有無に関わらず、倒産への道を歩んでいる社長は、
おおむね上記の共通点のいくつかが
当てはまっている場合が多いように感じます。

今回は、私が支援したある企業(T社)の事例を紹介します。

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T社は、某県で製材業を営んでいます。
社長の奥様からお問い合わせをいただき、
後日訪問し会社の現状を詳しくお聞きしました。

10年程前までは順調だったものの、
創業から約70年が経って需要の変化もあり、
業績は徐々に厳しくなってきているようでした。

また、債務超過であること、
設備投資のための借入金が多額で返済が厳しいこと、
本業でも赤字が続いて資金繰りが厳しいこと、
仕入先に対する未払金があることなど……。

話を聞けば聞くほど、青息吐息で倒産寸前……といった印象でした。

また、約2時間にわたるヒアリングの9割は奥様がお話ししており、
社長自身からの発言はほとんどありませんでした。

その理由は徐々にわかっていきました。
社長は決算書の内容についてあまり理解できておらず、
毎月の試算表が会計事務所から届いていなくても
さほど気にもしていないようでした。

最近では、試算表は半年に一度しか届かず、
経理を担当している奥様がお一人で資金繰りに苦慮されている状況で
銀行対応も社長はほぼ関与していませんでした。

社長は計数にとても弱く、
これまで奥様に任せて逃げてきたのです。

そして、社長は「とにかく売上を上げなければいけない」と
得意先からの注文に一生懸命対応しており、
朝早くから夜遅くまで働き続けていました。

その働きもあって、
直近の3年間、売上は毎年伸びていました。
しかし、営業利益は毎年減少していたのです。

薄利多売に走り、自社の生産キャパシティを超えて
受注を取ろうとしていたために、
残業や生産ロスが増え、売上と反比例して粗利は毎年減少……。
また、管理にまったく目を向けていなかったため経費も増加し、
営業利益が減少の一途を辿る最悪のサイクルに陥っていたのです。

一番の問題は、社長を含め
製品の原価計算をしている社員が社内にいないことでした。

そのため、ある製品を作るのに
どれだけの原価がかかっているか誰もわからないまま
「とにかく一生懸命に製品を作れば
売上が上がって利益も上がるはずだ。」という幻想を抱いて
頑張り続けている状況でした。

最初に挙げた倒産会社社長の共通点の多くが、
この社長に当てはまっていたのです。

その後、社長から
「これまでの自分を断ち切る覚悟でやっていかなければならない。
厳しい指導をお願いしたい。」と支援のご依頼をいただき、
早急に改革のための対策を打ち出していきました。

対策の中には、社長にはすぐにご理解いただけないものもあり、
ある時は激論を交わし、またある時には厳しい選択を突きつけて
社長自身の改革を迫ることもありました。

また、厳しい改革を進めていく過程で、
これまでいい加減にやってきた数名の社員の中から
「ついていけない」と退職者も出ましたが、

社長には「血の流れない改革は無い」とご理解いただき、
残った社員で改革を進めていきました。

そして、その結果……、
1年目から黒字化することができました。

赤字の製品や得意先を見直したために売上は下がりましたが、
粗利は増え、残業や経費を減らせたことで
営業利益を出すことができました。
2年目も順調に黒字を計上できました。

社長が倒産会社社長の共通点を引きずり、
過去の自分と決別できなければ、
この経営改革は成功しなかったでしょう。

もし、この事例をお読みになって
「自分にも当てはまる点がある」と感じた方は、
厳しい改革への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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