資金は「まわす」ものではなく「増やす」もの~社長、御社の資金は本当に増えていますか?~

日付
2019/09/10
カテゴリ

 「社長、御社の資金は順調に増えていますか?」

 この質問に、ほとんどの方が
 預金通帳に今残高がいくらあるのか?
 そして、それが多いのか少ないのか?を
 思い起こしながら返答されます。

 皆様はいかがでしょうか?

■資金の“色分け”
└────────

 残念ながら、預金通帳に入っている資金は“色分け”されていません。
 色分けとは「このお金はどういったお金なのか」
 という区分・区別を指します。

 金融機関から借入を行えば預金残高は増えます。
しかし“色分け”されていないため、
 ゆくゆく返済が必要なお金であるにも関わらず
 あたかも自分の手元の資金が増えたように
 錯覚してしまう恐れがあるのです。

■自己資金という考え方
└───────────

 では「実際に資金が増えたのかどうか」を
 どのように見分ければよいでしょうか?

 そのための指標が「自己資金」です。
 自己資金とは「現預金残高-借入金残高」で計算します。

 つまり「自己資金」とは、通帳に残っている残高ではなく、
 そこからさらに借入金の残高を差し引いたものになります。

 自己資金が増えたかどうかは、次の手順で判断します。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

  例)前期1年間で自己資金が増えたかどうか

   (1)前期首時点の現預金残高-借入金残高……[A]
   (2)前期末時点の現預金残高-借入金残高……[B]
   (3)[A]-[B]

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 (3)がプラスの数値になれば、
 それが1年間で増えた自己資金の金額となり、
 逆にマイナスであれば、1年間で減った金額となります。
 

■資金は「まわす」ものではなく「増やす」もの
└────────────────────

 さて、上記のように考えた時に、
 御社の自己資金は増えているでしょうか?減っているでしょうか?

 普段、資金繰りに苦しさを感じていなかったとしても、
 実際には資金が「まわっている」だけで
 自己資金は1円も「増えていない」ということがよくあります。

 また
 「毎年利益を出し納税しているにもかかわらず、
  自己資金が増えていない、むしろ減った……。」

 「固定資産の購入など、
  あきらかに大きな支出があったわけでもないのに
  自己資金が減っている……。」

 このような方はいらっしゃいませんか?
 これらの最大の要因は「運転資金」にあります。

 【運転資金とは】+++++++++++++++++++++++++++++

  [運転資金] = [営業債権] - [買入債務]

   *営業債権 ⇒ 受取手形・売掛金・在庫の合計
   *買入債務 ⇒ 支払手形・買掛金・未払金の合計

 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 運転資金が増えると自己資金は減り、
 運転資金が減ると自己資金は増えます。

 経常的に運転資金が過剰になる状態が続けば、
 どれだけ利益を出していても資金が不足してしまう
 「勘定合って銭足らず」の状況に陥ります。

 本来、売上代金で仕入代金を支払うのが理想的ですが、
 ほとんどの企業が売上代金を回収する前に
 借入金で仕入代金を支払っています。

 これでは利益が出ていても自己資金は増えません。

 「利益が出て、納税も行っているのに、
  なかなか借入金が減らない。なぜだろうか……。」と、
 疑問に思われている方は、
 常に「自己資金」と「運転資金」に目を向けていただければと思います。

 資金は「まわす」ものではなく「増やす」ものです。

 金融機関からの支援は経営の救いにもなりますが、
 自己資金を増やすという観点で見ると、
 借入は経営者の目を曇らせるものでもあります。

 繰り返しになりますが、
 常に「自己資金」そして「運転資金」に目を向けていただき、
 目先を「まわす」ためだけの借入を行わない会社を目指しましょう。

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