働き方改革の「本質」

日付
2019/10/29
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 弊社は全国で様々なテーマのセミナーを実施しています。

 そのセミナーの中で

 「働き方改革は中小企業の今後10年を決める

 大変大きな意味のある改革である」ということをお伝えしています。

 

 中小企業にとっては、

 働き方改革関連法の本格施行が始まる

 2020年4月まで残り5ヶ月。

 

 皆様は、この法律への対応・対策を進められているでしょうか?

 

 「今までと何も変わっていない」という企業経営者は、

 この働き方改革の本質を理解すれば、

 残り5ヶ月間を真剣勝負の期間と考え始めざるをえないでしょう。

 

 

 働き方改革は、

 2015年10月7日の第3次安倍内閣(第1次改造)発足時、

 会見冒頭の次の言葉から始まりました。

 

———————————-

 

 少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も1億人を維持する。

 そして、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害のある方も、

 誰もが今よりもう一歩前へ踏み出すことができる社会をつくる。

 一億総活躍という輝かしい未来を切り開くため、

 安倍内閣は新しい挑戦を始めます。

 

 戦後最大のGDP600兆円、希望出生率1.8、そして、介護離職ゼロ。

 この3つの大きな目標に向かって、新しい3本の矢を力強く放つ。

 

———————————-

 

 そして、総理の私的諮問機関「一億総活躍国民会議」が発足。

 その後、2016年6月2日に

 「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定しました。

 

 このような中で、

 一億総活躍社会実現のための横断的な課題に対して

 「働き方改革」が必要となり

 「働き方改革関連法」が生まれました。

 

 その中でも、

 多様な「ワーク・ライフ・バランス」を実現・選択できるようにするために

 下記事項を主に導入することになりました。

 

 労働時間法制の見直しとして、働きすぎを防ぐことで働く方々の健康を守る

 [1]残業時間の罰則付き上限規制

 [2]1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得義務づけ

 [3]月60時間を超える残業は、割増賃金率を25%→50%に引き上げ

 

 正規と非正規との不合理な待遇の差をなくし、

 どのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続けられるようにする

 [4]同一労働同一賃金

 

 など。

 

 さて、皆様は『働き方改革』の本質は、

 どの箇所にあると思われましたか?

 

 

 多くの方々は

 「働く方々を保護するための法規制が新たに誕生した」という点を

 指摘されるかもしれませんが、

 私は総理が唱えた言葉「戦後最大のGDP600兆円」の実現にこそ、

 改革の本質があると考えています。

 

 当初私はこの言葉を聞いた時

 「人口減少が進む日本でどのように実現させるのか?」

 正直想像がつきませんでした。

 

 しかし、この働き方改革とセットで考えると

 GDP600兆円を実現させる方向性が浮かんできたのです。

 

 この言葉と今の日本の時代背景を一緒に考えてみてください。

 

 急激に減少する労働者人口は、

 労働市場への参加が新たに進まなければ、

 2030年には5,300万人と、

 今より700万人減少すると予測されています。

 

 さらに、2019年の中小企業白書によれば、

 OECD諸国の労働生産性(GDP/労働者数)比較で

 日本は21位と低位にあり、

 労働者数1人あたり購買力平価は900万円弱となっています。

 

 労働者人口が減少する中で「GDP600兆円」を達成するために、

 一人あたり購買力平価を引き上げるための施策として、

 日本企業の労働生産性を改善する必要があります。

 

 そのためには、労働生産性の低い企業には日本市場から退場いただき、

 労働生産性の高い企業に、

 減少が始まっている限られた労働力資源を流し込む施策が必要になります。

 そうすれば、日本全体のGDPは現在より増大していきます。

 

 その際の『労働生産性の低い企業が退場する仕組み』として、

 今回の働き方改革を捉えるとどうでしょうか?

 

 残業時間の上限規制や有給休暇取得義務化、同一労働同一賃金など……。

 政府が次々と企業に生産性の向上を迫り、

 それに対応できない企業は廃業させ、

 そこで従事していた労働力を

 改革に対応できた労働生産性の高い企業に流し込む……

 という構図が見えてきます。

 

 つまり、働き方改革は働き場の改革=企業側の生産性改革であり、

 人口減少が進む日本に

 生産性という切り口で企業の淘汰を迫っていると考えるべきなのです。

 

 皆様は淘汰を迫られるこの日本社会で生き残れますか?

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